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ブジとブリ

実はピンチョスおたく(?)のワタシ。

そもそも論で申しますと、数年前に行ったスペイン&ポルトガル食の旅でマドリッドにあるタパスバルにはまったのがそもそもの始まり。

【ちょっとずついろいろなものが食べれる】コトが好きみたいです。

以前は日比谷のピンチョス・ベポへ行ったりしていたのですが、昨今のピンチョスだったり、タパスだったり、バルだったりのブームに乗り切れず、ベポったら、さっくり閉店。

ちょっと寂しいワタシは【エル・ブジ仕込み】という魅惑のキーワードにやられて、赤坂の旬香亭グリル デ・メルカドへ行ってきました。

こちらは以前、旬香亭グリルとして営業していたお店。旬香亭グリル時代に一度だけ伺ったのですが、当時の赤坂旬香亭ほどのインパクトがなく、それっきり5年ほどゴブサタしておりました。

全然気にかけていなかったのですが、3年前に旬香亭グリル デ・メルカドとして再スタートを切られたご様子。早速、7,000円のコースを予約して伺いました。

やっとの思いで赤坂アークヒルズエグゼクティブタワーにたどり着くと、妙に愛想のいいサービスのお兄さんに出迎えられます。席に案内されて、お料理がスタート。

まずはジンフィズ。ゼラチンが入ったしっかりした泡がたっぷりのフシギなジンフィズです。

前菜となるピンチョスはサーモンのリエット、サザエのオーブン焼き、シャンピニオン、シャコの生姜マリネ、エビのアヒージョ(エビのニンニク唐辛子焼き)。この子達がそれぞれスライスしたバゲットの上にのっています。

しかし、このピンチョス達ったら…ぜんぶ冷たい。バゲットもしなしな。そして、ツナのパイまでもひえひえでパリパリ感ゼロ。

冷たくてふにょふにょのパイを食べるのはどうしてもイヤだったので、「暖めてください」とお願いしたら、明らかに【電子レンジでチン!】したものが出てきました。さらにふにょふにょ。

ちょっと嫌な予感を感じつつ、タパスへ突入。一見、卵の黄身に見えるメロンピューレが有名な生ハムメロン。お米の代わりにシリアルをかけて食べるパエリアケロッグ。その他、マグロのコンフィ、クモコのフリット、クラムチャウダー、などなどとにかくすごい品数がでてきますが、どれも印象に残らず。

メインはイベリコ豚の骨付きバラ肉キャラメリーゼですが、これまたパサパサに調理されてしまったかわいそうなイベリコくんが登場。

CKエスケープの香りを楽しみながら食べるデザートも、パリパリの串刺しチョコバナナもこぼれないムース状のカプチーノもフツー。

で、hanaの旬香亭グリル デ・メルカドの星の数 【★☆☆☆☆】

すべてのお料理の完成度が低すぎました。というよりは、あまりにもお料理のキホンの部分が欠けていたような。オドロキはあっても、カンドウがない。シェフと呼ばれる方々はタイミングをとても大切にしていらっしゃると思うのですが、それがまったく感じられず。

サービスの方もフレンドリーではあったのですが、あまり心地良くないフレンドリーさ。その日はワインな気分ではなかったので、ずっとビールを頂いていたワタシ。なぜか執拗にワインを勧められてビックリ。

「このお料理にはこのワインで。」という勧め方ではなく、明らかに客単価をあげたいオーラがでていて、サザナミのようにひくワタシ。

アゲクの果てにチェックの段階になるとどう考えてもお高い。どうやら、他のお客様と勘違いされたらしく、9,500円のコースに代わっていたみたいです。そういえば席に着いたときに「あれ、男性の声で予約されたと思ったのですが。」とか言われていたことを思い出す。

お値段の修正はしてもらったものの、最後まで気持ちよくお食事ができず。

とそんなこんなで初の「ひとつ星」です。

お料理の味よりもエンターテイメント性を重視するのであれば、お値段も品数も今の半分にして、新しモノ好きの20代前半女子をターゲットにしたらいいのに…とかいらない心配までしたくなる。

ちなみにエル・ブジで修行された山田シェフは不在でした。

そして、「エル・ブジとエル・ブリどっちがホント?」とよく聞かれますが、パエリアがパエージャだったり、パエーリャだったりするのと同じでたいした違いはありません。

佐世保(長崎県)で生まれ育ったワタシは地元のオジサマたちの素晴らしいヒトコトにカンドウしたことがあります。

「サセホもサセボもホボ同じ」

こんなヒトコトでテンションあげざるをえないちょっと悲しい初冬の夜でした。

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フクを招くロウ

先日、ちょっとフォーマルに招福楼 東京店へ行ってきました。

場所は丸ビルの36階。一度は名前を聞いたことがある有名店のブランチが軒を連ねます。

本店は滋賀県の八日市にある名料亭で、お食事のお値段も21,000円から。「これに税・サービス料がプラスされて、お酒も意外とたくさん飲んじゃったりしたら…」と考えただけで私のようなインチキフードスタイリストには敷居が高いお店。

でも、丸ビル店ではちょっとカジュアルな風流会席が12,600円でいただけるのです。

お店に伺うと、お姉さん方がささっ迎え出てくださり、テキパキと応対してくださいます。お姉さんに言われるがまま、靴を脱いで預けると、これまたささっとお部屋まで案内してくださいます。

そして、お部屋に通されてビックリギョウテン。

ご主人がお茶室をイメージしてデザインされたという個室はもちろん畳のお部屋。その畳部屋の両脇に座椅子が置いてあり、その前に足が下ろせる長方形スペースがポッカリ開いているのです。

【テーブルなしの掘りごたつ畳バージョン?】といったカンジ。

とりあえず、穴の中にスッポリ落ち着くとお姉さんがテーブル代わりのちょっと高めのお膳を運んできてくださいます。これがテーブル代わりになるようです。ちょっと低いけど。

まずはあられ湯から始まり、由緒正しく先付、座付、おしのぎ…と進んで行くのかと思ったら、そうでもないらしいです。キホンは懐石スタイルですがかなりフュージョン風味がきいてます

かれこれ30年以上お茶を習い続ける稲井憲子(母:59歳)も「茶懐石風…かしら?」とポツリつぶやいておりました。

先付と思われる舞茸と蟹、ホウレン草の酢の物はお酢がまろやかで菊の花の彩り美しい一品。おしのぎの飯蒸しは柴漬けがアクセントですが、何とも言えずほっこりできるお味。

お造りは鮪に石鯛と一般的ですが、盛り付けは繊細。ツマとしてあまりお目にかからないイワタケが添えてあります。

八寸は柿の胡麻和え、おなます、鰆の西京焼き、ゆり根と銀杏のかき揚げ、とんぶりと雲丹の和え物、味噌漬け卵黄をサーモンに巻いたものなどなど目にもアザヤカ。一品一品が日本酒を美味しくいただけるお味にしてあります。

こちらのしんじょうは「これぞしんじょう。」と思わせる絶妙な食感。蕪の炊き合わせは出汁がかなりきいてます。でも、味のメリハリがあってこれもまた良しです。

お食事には大きな梅干がどーんとのったお茶漬けがでて、これまたビックリギョウテン。

そういえば、箸休めでなめこおろし蕎麦もでたりして…かなりマンプク。

お菓子は栗の生菓子。最近の由緒正しい栗きんとんはパサパサしていて、個人的にちょっと寂しい思いをしていました。でもこちらのお菓子はマロングラッセ並みのねっとり感。栗好きにはたまりません。

水菓子はグレープフルーツのゼリーにめずらしい桃太郎ぶどう。本当に桃の形をしているぶどうの粒が何ともカワイイ。

で、hanaの招福楼 東京店の星の数 【★★★★☆】

とにかくお料理は目にも美味しく、お味はもちろんマチガイナイです。さすが老舗のカンロク。

でも、【テーブルなしの掘りごたつ畳バージョン】はあまりにもつらかった…。

折角の和やかなお食事の席で、「お酒でも注ぎに行こうかな。」と思っても穴から出ないと動けない。

同じお部屋の向かいに座っている方との距離より、お隣のお部屋の方との距離が近いので、同じお部屋の会話が聞きづらくて、反対に隣のお部屋の会話が丸聞こえ。

しんとしているよりはいいのですが、お互いの声が聞き取りにくく、相乗効果でどんどん声が大きくなり、「招福楼まるごと宴会中?」というカンジです。

お姉さんのスバラシイサービスには脱帽ではありますが、人数分のこれまたすごい品数をだしてひいて、だしてひいて、の作業が慌しく感じてしまいます。何だか落ち着けなくて残念。これもやっぱりフシギなお部屋のつくりから生み出される要らない産物。

と、いろいろナマイキなことを申しましても、お料理はやっぱり素晴らしかった。

キバツなお店のデザインも丸ビルに出店したからこそなのねと今更ながらに自分自身を納得させてみる。昔ながらのしっかりしたオシゴトといろんな意味でちょっとアンバランスなインテリアデザインのフュージョン。

こういう試みができるって、やっぱり東京っておもしろいと思う今日この頃です。

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スマイル・ゴー・ラウンド

先日、西麻布のBINGO(ビンゴ)へ行ってきました。

リストランテ・ヒロのシェフをしていらした小林さんが独立されたと聞いて、ずっと「行きたい、行きたい…。」と思いつつ、なかなか行けてなかったお店です。

こちらのお店は前出のDAL-MATTO(ダルマット)と同じく、コースがおまかせのみのワンコースだというコト。それにプラスして厨房で創られるお料理がコースの順番に関係なく、次々とお客様の前にサーブされるコト。

これってお店側のタイミングにお客様が乗っかっていく【メリーゴーラウンド方式】なんて言われていますが、自分もその波に乗っかってみて「なるほど、メリーゴーラウンド。」とひとりで納得。

といいつつも、実は私たちがお店に伺ったタイミングはちょうど1周したところ。いいカンジでお食事をスタートすることができました。

まずはふんわりからっと仕上げてある鰯のフリット。目の前がオープンキッチンなので、シェフが鰯のフリット衣をしっかりと指でしごいていらしたのをチェック。「あんなに衣を薄くしたらから揚げっぽくなるのでは…。」とひとりで心配していたのですが、良いカンジに期待を裏切られました。塩加減も絶妙でカンゲキの一品。

次は白ポレンタを海老やヒラメが入ったイカスミのラグーソースでいただきます。日本でおいしいポレンタを食べた記憶がなかったので、これまたカンドウの一品。

冷製パスタはほどよいポーションで登場したいくらのカッペリーニ。私はいくらが苦手なので、その旨を事前にお伝えしたら、ちゃんとからすみのカッペリーニにしてくださいました。さすが、リストランテ・ヒロのご出身だけあって、液体窒素で瞬間冷凍させたふわふわのオリーブオイル氷(?)がトッピング。これが自家製からすみと絡み合ってなんとも言えない至福のヒトトキ。

ちょっとひんやりした後はかわいくカットされた根菜たちが饗宴するフリットです。

「むかご、紅芋、里芋に金時芋…。あっ!パースニップ発見!」

まさに"真っ白い人参?"のパースニップ。ニューヨーク在住の学生時代はシチューに入れてよく食べていましたが、フリットにされたパースニップとは初めてのご対面。10年来の親友の意外な一面を見た!みたいなカンジです。

そして、メインは有名なグリルミスト。日本各地、有名どころの牛・豚・鶏が勢ぞろいです。肉食獣を卒業した(はず)の私もこれにはかなり「びびび」と反応。いろいろなお肉、そして内臓部分がいただけるので味に変化があり、ポーションも小さめなのでで飽きずに最後までいただけます。

最後は天然きのこのパスタ。グリルミストあたりでギブるかと思いきや、ステキなフィニッシュを決めてしまいました。

デザートはクレームブリュレをチョイスしたのですが、これがまた絶品。私が最近食べたクレームブリュレの中でイチオシ。

梨のスープ、そしてメロンクリームソーダもやってきました。小さい時に食べたメロンクリームソーダとは似て非なるものでしたが、メロン嫌いの私も美味しくいただけたオトナ味。

で、hanaのBINGO(ビンゴ)の星の数 【★★★★☆】

「どうやったら、この値段でこれだけの料理が出せるのかしら…。」と心配になるくらい素晴らしいコストパフォーマンスです。税、サービス料込み6,500円という価格を実現させる為、サービスの方もおひとりで頑張っていらっしゃいます。

ひとつだけちょっと残念だと思ってしまったのが、折角のオープンキッチンなのにシェフのお顔にスマイルゼロ。もちろん、真剣にお料理していらっしゃるのはわかるのですが、プロのカンロクが裏目に出たのか、あまり料理を楽しんでいらっしゃる雰囲気が伺えず。

お料理ってフシギにその日の作り手の体調とかムードが現れてしまうものなんですよね。一緒にいたアメリカ人の友人は「日本人のシェフは本当に愛想がない。」としきりに言って、ちょっぴり残念がっておりました。オープンキッチンのレストランではスマイルも重要な料理のエッセンスだと思います。

とまた偉そうな発言したりして。

【料理は愛情、そしてスマイルのエッセンス】

来年の書初めお題としたいと思います。

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蔵シックキュイジーヌ

長らくブログゴブサタしておりました。

海外在住の幼なじみが遊びに来たり、5年間もみてみないフリをしていた親知らずを抜いてみたりと、どーでもいいプライベートライフを満喫していたらあっという間に11月も半ば。

「光陰矢のごとし。地に足つけて人生歩まねば」と反省文を400字詰め原稿用紙3枚分書いてみました。

が、その舌の根も乾かぬうちに、稲井憲子(母:実は59歳であることが発覚)と共にふらふらと旅行に出かけてみる稲井華子(娘:30歳)。

【蔵シック会津若松から紅葉の日光へぶらり旅】(テレビ東京風)みたいなステキな親子2人旅。

と思いきや、結局は温泉三昧で郷土料理食べまくりの4日間。

「で、会津若松の郷土料理って?」という話ですが、まずはお祝いの席には欠かせないこづゆに始まり、家庭によってそれぞれ味が異なる身欠きニシンの山椒漬け。ちょっと甘い味付けの棒だら料理、田楽にわっぱめし、馬刺しにイナゴの佃煮…ちょっと苦味がある薬用人参も天ぷらにするとおいしくいただけます。

会津地方イチオシのアミューズメントパーク(?)である大内宿ではしんごろう餅高遠そばにトライ。ネーミングがステキなしんごろう餅とはお餅を竹串に刺してじゅうねん(エゴマ)のお味噌をぬって焼いたモノ。高遠そばとは辛味大根と焼き味噌を入れた辛つゆで食べるお蕎麦のコト。

最近の高遠そばは「箸を使わずにネギ1本で食べるお蕎麦!」として有名ですが、必ずしもそうとは限らないみたいです。

自然豊かな会津には珍しいフルーツも盛りだくさん。キウイフルーツの原種と言われるさるなしの実やフシギな形状のアケビの実、秋になると皇室に献上されちゃう見不知柿(みしらず柿)もあります。恥ずかしながら、【焼酎にさわして食べる渋柿】の存在を初めて知って、ひとりでビックリギョウテンでした。

いやー、会津の食って奥が深い。

そんな会津の郷土料理を地元の方々と楽しく食べることができるお店が有名な野口英世青春通り(これもすごいネーミング)沿いからちょっと奥に入ったひっそりとたたずむ蔵の中にあります。お店の名前は老町 ぼろ蔵です。

女性店主おひとりでやっていらっしゃるお店ですが、おしゃれな蔵で会津のおいしいお酒と珍しい肴がいただけます。地元の方にいろいろな"ジモティー御用達居酒屋"に連れて行って頂いたのですが、私はここが一番お気に入りでした。

食べまくり旅行の最終日は会津若松から日光への紅葉ドライブ。「日本の四季ってスバラシイ。」と改めて実感。紅葉の美しさにカンドウを覚えつつ、湯葉を食す。

【花より団子】とはよく言ったものです。

そして、先ほど会津の友人から「みしらず柿送りますね♪」という連絡を頂きました。

【人生においてのバランス】も大切ですが、【体重のバランス】もとれるように頑張りマス。

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